青柳正規 独立行政法人国立美術館 理事長 国立西洋美術館 館長 |
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現在のミュージアムは、知りたい過去の文化や時代の限定的な呈示をする場となっている。限定的な呈示と実際の時代や文化との間には大きな違いや格差があるが、この格差を埋めるための知的好奇心を生み出す場所が「本来のミュージアム」と定義。実体標本としての希少なモノは存在感を持ち、様々な情報を読み取ることができるが、それに関わる変化、変容の推移、他との関連性などは表現できない「既存ミュージアム」と、デジタルに置き換えられた情報が主体で、実体がないために様々な分析には対応できないが、コピーなどによる複数化と情報発信が自在にでき、変化変容の推移を表現できる「デジタルミュージアム」の特徴を鮮明にした。さらに、この2つのミュージアムの補完関係以上の可能性を追求するために、新たな可能性が付与された「新たなミュージアム」の役割と機能を創出した「次世代ミュージアム像」の構築について言及をした。
現状では、デジタル文化財には、リアリティ、永続性、確証性、実体性、自己増殖性などの面では限界がある。そこで、無限に深化拡大するデジタル技術に「次世代ミュージアム」という限界や枠組みを付与することにより、一部のデジタル技術が深化と要素技術の相関性を獲得し、「次世代ミュージアム」のために開発されたデジタル技術が“文化”化する可能性がある。それをも目指していると最後に締めくくった。 |
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 青柳正規館長 |
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500名以上の来場者を迎えた有楽町朝日ホール |
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